中年童貞 桜壱バーゲン

本日は表題の漫画レビューです。

漫画の内容簡単に説明すると中村淳彦さんによる
現代社会の闇に切り込んだルポ漫画です。
その扱っているテーマはタイトルの通り
中年でも性経験のない中年童貞について扱っています。
中村さんが過去に取材した様々な童貞について淡々と描かれています。

私の感想を書く前に、この作品のAmamzonでのレビューについて触れてみたい
ほとんどのレビューがこの作品を不快に思っているという内容だった
本作品は中年童貞を誇張して記載し馬鹿にしていると怒るか
もしくはフィクションとして笑っている人
内容を信じているとしても、他人事して笑っている
もしくは過去に中年童貞から被害を受けてしみじみ実感している人たち
ほとんどがそんな感想だった

私のそれら全てと異なる感想だった
まず前提として幸いなことに私は中年童貞ではない
だが、おそらく人生の歯車がほんのわずかにずれただけで
この漫画に出てくる中年童貞になってしまっただろう
見ていて彼らに非常に共感できた

出てくる人物たちは普通の人たちから見れば
非常に不快で出てくる人たちの気持ちがわからないだろう
何の努力もしていないように見える人もいるだろう
なんでそんなに人が不快に思うように動くか理解できない人もいるだろう
そんなことは、周りから見ているから言えるのだ
本人はおそらく本人なりに努力している
なぜ自分が女性にもてないのか、女性はなぜ自分を理解してくれないのか
全く理解ができないから、どんな努力をしていいのかわからないのだ

小さい頃偶然か、家庭環境か、それとも見た目か、ADHDのせいかわからないが
幼少のころより女性に縁がなく嫌われていた人間には
女性と付き合っていくことが全く理解できないのだ
この中年童貞に出てくる人にある共通点があるのだがわかるだろうか
それは友達がいないのだ

まず第一に女性の友達がいない
女性と付き合いなれていないから口説くことはおろか
その目標に対してどのような努力をしていいのかわからない
女性の友達がいなかったとしても
女性友達の多い友人がいること
これがいれば、間接的でも女性の心理を考えることができる
そういったチャンスもなく生きてきた彼らを責めることができるだろうか
皆そういった組み合わせがずれていれば同じようになっていたのではないだろうか

私は出てくる中年童貞の気持ちが非常によくわかる
同じような経験もたくさんした、同じような心理状態にもなった
だが、わずかなきっかけとわずかな幸運があったため
同じような結果にはならなかった
これはルポ漫画だから解決策を提示することが目的ではない
本当に問題点だけを浮き彫りにさせるだけの作品だ
だから、悲しい現状をみせておしまいである

だが読んだ人たちは違うはずだ、これを読んだ後に動き出すことができる
何も彼らにSEXさせてやってほしいとはいわない
だが、もし彼らと出会うことができたら
わずかなチャンスをあげてほしい
彼女をつくるヒントあげてほしい
彼らの頭にはきっかけを作る方法も思いついていない
どんな努力をしていいのか全く分からない
ほんのアイディアだけでも与えてほしい
中年童貞と馬鹿にしないでほしい

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