王少年は、その後山の被害に町から駆け付けた、救助隊に保護をされた、王少年は、自分は体調不良で祭りに参加しなかったため、助かったと嘘をついた。
自分の秘密を打ち明けることにメリットがないことを知っていた。

町に来た王少年は、ある実業家の家に住まわせてもらうことになった、実業家が、本当に自愛の心もっていたのか、アピールで保護したのかは彼にはどうでもよかった、
ただ、実業家の提供してくれる、勉強のできる環境、広い人脈によって出会える、多くの友人に感謝した。
今度こそ間違えるわけにはいけないと心に強く誓った。

それから2,3年の時がたった、その間、社会は変わり、多くの名無しの子供を救う制度ができ、名前を名乗ることができた。
実業家は、王少年に聞いた、名乗りたい名前はあるかと、王少年は答えた「リチャードがいい」実業家は尋ねる、なぜこの国の由来ではない名前を希望するのかと、
少年は迷わず答えた、「「かっこいいいから」と、その答えは嘘だった、力強い支配者を意味するリチャード、どうせ実業家はこの事実を知らないであろう、
彼は新しい目標に向けて、決意を込めて、リチャードを希望した、案の定実業家は、何も気が付かずに、彼の希望を役所に提出した、未来で、実業家にとっての支配者になることも知らずに。

さらに数年の時がたち、王少年は青年となった、リチャードは学業の過程を短縮してすべてを完了させた、先行した学科は生物学であった、実業家が生物学の魅力について尋ねた時に、リチャードはこう答えた
「生き物について学ぶと、昔数でいた山の多くの生き物を思い出す、それが自分にとっては心地がいいのだ」と、そのお答えが嘘であったか、事実であったかは、誰にも知ることができなかった。

卒業をしたリチャードは、実業家の下で、働くことをお願いした、実業家に恩を返したい気持ちと、実業家はバイオロジックの事業も行っていたので、早く、好条件でお金を稼ぐ場として条件が整っていた。
リチャードは天才としての能力をいかんなく発揮し、七光りを使わずとも頭角をしめしていた。

リチャードは社内での権限を延ばすことによって、会社の秘密に触れることになる。
実業家の会社では、人体実験をもって、超能力の研究をおこなっていた、研究の方法は、人道に反するものであった、
その資料の中で彼は知る、自分の秘密もおそらくこの研究によって生まれたものだと、実業家が自分を拾ったのは、慈善活動のパフォーマンスだけでなく、
研究の露営を恐れたの行動であったのだ。
これを知った時に、リチャードの気持ちは興奮した、自分にとってはあっても、なくてもどうでもいい能力だった。
現に彼は、あの事件以来超能力を使ったことは一度もなかった。
しかし、この能力があれば、人類を幸福に導けるかもしれない。

彼は自分の出生を知ったこそを伏せ実業家にお願いした、自分もこのプロジェクトの手伝いがしたいと、
実業家はリチャードの能力を買っていたため、これを喜んで受け入れた。

さらに時は数年流れる、リチャードの指揮のもと超能力育成計画は、順調に進んだ、
単純な天才的な頭脳をもつもの、超人的な肉体をもつもの、
さらに、サイコキネシスを使い、物体を動かすもの、分子運動から、火や水や電気といったエネルギーを生み出すといった、まさに超能力が生まれたのだ。
幸か不幸か、リチャードと同じ時間と空間をコントロールできるものは現れなかった

実験に喜ぶ実業家、超能力を軍事兵器として売り出すのは、もう間もなく、さらに巨万の富が約束された。

そんな中、実験代にされた少年たちが脱出の計画をたてる、その中にはリチャードに匹敵する天才も混じっていた、
当然リチャードはこの動きを理解していた、しかし彼はそれを逆に利用し、脱出の混乱に乗じ実業家を葬った、
リチャードは、人を人と思わぬ実業家に怒りを抱いていたのだ。

この脱出により、世界中に超能力者があふれることになった、脱走者だけでなく共鳴した多くの人に超能力が芽生えたのだ。
王少年は世界を変えたのだ。

崩落事故から生還した王少年は、町から駆け付けた救助隊に保護された。彼は、自身が持つ秘密――テレポートと一瞬の時を止める能力――を打ち明けることに何のメリットもないと知っていたため、体調不良で祭りに参加しなかったために助かったと、冷静に嘘をついた。

彼は身寄りのない「名無しの子供」として、町の実業家、ザックの家に引き取られることになった。実業家が本当に自愛の心を持っていたのか、あるいは社会的なアピールのために保護したのか、王少年にはどうでもよかった。彼にとって重要なのは、実業家が提供してくれる恵まれた環境だった。思う存分勉強できる環境、そしてその広い人脈によって出会える、多種多様な友人たち。

彼は山での大惨事を決して忘れなかった。あの時、自分の持つ力が、何の役にも立たなかった事実。自分一人が助かり、愛する人々を失ったあの無力感。
「今度こそ、間違えるわけにはいかない」
王少年は心に強く誓った。彼が愛する人々を守るためには、もはや友好の継続だけでは不十分で、世界そのものを動かす力が必要なのだと悟った。

それから二、三年の時がたった。社会は変わり、人口抑制策の緩和と共に、多くの名無しの子供を救う新しい制度ができた。彼らは晴れて、正式な名を名乗ることが許された。

実業家は王少年に尋ねた。「名乗りたい名前はあるか?」

王少年は迷わず答えた。「リチャードがいい」

実業家は尋ねる。「なぜ、この国の由来ではない異国の名前を希望するのかね?」

少年は屈託なく答えた。「かっこいいから」

その答えは嘘だった。リチャード(Richard)とは、「力強い支配者」を意味する古語に由来する。どうせ実業家はこの事実を知らないであろう。彼は新しい目標に向けた決意を込めて、リチャードという名を希望した。案の定、実業家は何も気が付かずに、彼の希望を役所に提出した。

リチャードという名を選んだ少年が、未来において、実業家にとっての支配者になることも知らずに。

さらに数年の時がたち、王少年は青年となった、リチャードは天才的な能力により、通常の学業の過程を短縮してすべてを完了させた。彼が先行した学科は生物学、特に細胞や遺伝子の分野だった。

実業家が生物学の魅力について尋ねた時、リチャードはこう答えた。
「生き物について学ぶと、昔、数年暮らしていた山にいた多くの生き物を思い出すのです。それが自分にとっては心地がいい」

その答えが、過去への純粋な感傷であったのか、それとも目的を隠すための巧みな偽装であったのか、誰にも知ることはできなかった。

卒業をしたリチャードは、実業家の下で働くことを願い出た。表向きの理由は、受けた恩を返すため、そして実業家がバイオロジックの事業も行っていたため、早く好条件でお金を稼ぎ、自分の研究を進める場として条件が整っていたからだ。リチャードは天才としての能力をいかんなく発揮し、七光りを使うことなく、社内で頭角を現していった。

リチャードが社内での権限を延ばすにつれて、彼は会社の極秘の秘密に触れることになる。

実業家の会社は、非合法の地下研究所で、人体実験をもって超能力の研究を行っていた。その研究の方法は、人道に反するものであり、多くの犠牲を出していた。

その資料の中で彼は確信した。自分の持つテレポートと時間操作の秘密も、おそらくこの研究によって意図せず生まれたものだと。そして、実業家が自分を拾ったのは、慈善活動のパフォーマンスだけでなく、研究の露見を恐れた上層部による行動であったのだ。

これを知った時、リチャードの気持ちは興奮した。彼にとって、あの能力はあってもなくてもどうでもいいものだった。現に、彼はあの事件以来、二度とその能力を使ったことはなかった。しかし、もしこの能力を量産し、制御できるようになれば、人類を幸福に導けるかもしれない。彼はそう信じた。

彼は自分の出生の秘密を知ったことを伏せ、実業家にお願いした。「私もこの極秘プロジェクトの手伝いがしたい」と。

実業家はリチャードの能力と忠誠心を買っていたため、これを喜んで受け入れた。

計画の実行者
さらに時は数年流れた。リチャードの指揮のもと、超能力育成計画は驚くべき速度で順調に進んだ。

単純な天才的な頭脳を持つ者、超人的な肉体を持つ者、そして驚くべきことに、サイコキネシスで物体を動かす者、分子運動を操り、火や水、電気といったエネルギーを生み出す真の超能力が生まれたのだ。幸か不幸か、リチャードと同じ時間と空間をコントロールできる者は現れなかったが、成果は予想を遥かに超えていた。

実験の成功に実業家は大いに喜び、超能力を軍事兵器として世界に売り出す日は近いと確信した。さらなる巨万の富が約束されたのだ。

研究所の地下深く、リチャードが主導するプロジェクトは絶頂期を迎えていた。しかし、その華々しい成果の裏で、実験台にされていた少年たちの魂は、激しい怒りと憎悪に燃えていた。彼らは、リチャードがもたらした驚異的な能力を、自分たちを閉じ込めた檻を破るための武器として研ぎ澄ませていた。

脱出計画の中心にいたのは、二人の天才的な被験者だった。一人は、「ミハイル」と呼ばれる、リチャードに匹敵する知性の持ち主。彼は、リチャードが設計したセキュリティシステムの盲点を突き、脱出ルートを構築した。もう一人は、「シズカ」と呼ばれる少女。彼女の能力は、微細な振動(音波)を自在に操ること。壁を粉砕し、人の聴覚を麻痺させ、電子機器を破壊する。

当然、リチャードは彼らの動きを全て理解していた。彼の監視システムは完璧だったが、彼はそれを止めるどころか、密かに補助さえしていた。脱出計画の鍵となるいくつかの脆弱性、例えば換気ダクトの設計ミスや、警備員のシフトの隙間などは、リチャードが意図的に残したものだった。

リチャードにとって、超能力者の放出は計画の一部だった。彼の目標は、世界を幸福に導く力を得ること。その力とは、能力者集団の指導者となり、世界を支配することだった。そのためには、実業家という不純な存在を排除し、自らの能力者が世界に広まる必要があった。

彼の中で、感情と論理が一つになった。山崩れで多くの命を奪った人間の愚かさへの怒り。そして、その愚かな人間に力を悪用させようとした実業家への憎悪。二つの感情が、リチャードの冷徹な行動を後押しした。

深夜、脱出は実行された。

シズカの放った高周波が研究所の電子ロックを破壊し、警報システムを沈黙させた。ミハイルが事前に仕掛けた罠により、警備員たちは混乱に陥った。地下研究所は、瞬く間に超能力による嵐の場となった。念動力で岩石が舞い、炎が噴き出し、閃光が走る。

リチャードは、騒乱の中心にはいなかった。彼は、実業家が緊急時のために隠れていた、最上階の豪華なオフィスへと向かった。

実業家は、モニターに映る地下の惨状を見て、狂喜していた。「やはり素晴らしい!この力だ!リチャード、急いで鎮圧しろ!この力を兵器として売るのだ!」

リチャードは、静かに実業家の前に立った。彼の顔には、いつもの穏やかな微笑みはなかった。あるのは、冷徹な支配者の決意だけだった。

「私の計画は、あなたの利益のためにあるのではありません」リチャードは静かに言った。「あなたの持つ『力』は、あまりに小さすぎた。そして、あなたは愛する人々を失った者の怒りを理解しない」

実業家が戸惑う一瞬、リチャードの秘密の力が発動した。

世界が一瞬、止まる。色彩が消え、空気の分子さえ静止した。リチャードはテレポートで実業家の背後に回り込むと、静止した空間の中で、彼が絶対に逃げられない位置へと移動した。そして、時を戻した。

実業家は、背後に現れたリチャードの瞳に宿る冷たい光を見たのが、彼にとっての最後の景色となった。リチャードは、能力を使わず、ただの人間としての物理的な力で、この不純な支配者を永遠に葬った。

リチャードの計算通り、脱走した超能力者たちは、研究所から世界各地へと散らばっていった。彼らの解放は、単なる施設からの脱出に留まらなかった。

超能力は、まるで伝染病のように世界に広まった。脱走者たちが持つ強大なエネルギーと、それに伴う精神的な波動が、各地の潜在的な能力者たちに共鳴し、遺伝子レベルで眠っていた力を目覚めさせたのだ。

町や都市では、ごく普通の人間が、突如発火したり、念力で物を浮かべたりする現象が起こり始めた。混乱は瞬く間に世界を覆った。

名無しの子供、王少年。そして今やリチャードと呼ばれる青年は、一人の知性と一つの秘密の力で、世界を変えたのだ。

リチャードは、崩壊した研究所の残骸を見下ろしていた。彼の計画は成功した。世界は今、彼が求めた力を持つ者で満たされた。

だが、この力は、彼が望んだ「友好的な関係性の継続」をもたらすのか。それとも、山崩れの惨事よりも大きな、未知の混沌へと世界を突き落とすのか。

世界は今、彼の決意と共に、制御不能な力の時代へと足を踏み入れた。リチャードは、これから始まる新世界の支配者となるのか、それとも、新たな時代の救世主となるのだろうか。